レッスンを受ける心構えを、私の体験談から一つ綴ろうと思います。
あれは~、まだ私が桐朋の学生だったころでした。
あの日は~、秋でした。
その日は、秋だというのに暑さがぶり返した日で、外は夏のような陽気でした。
レッスンで家を出ねばならないギリギリまで最後の悪あがきをし、時間ギリギリに家を出、当時住んでた家から○○経由で○○線にのりました。
外が暑かったためか、もう冷房の時期ではなかったのですが、○○線の車内は冷房が入ってました。
多少汗ばんでいた私は(汗っかきです)こりゃいいわい、と一人悦に入ってました。
ところが・・・
しばらくすると、急に悪寒が襲ってきました。
アレルギー体質の私はカビに弱く、季節初め、家でクーラーを入れるときはまず、クーラーを大掃除した後、窓とドアを全開にし、1~2時間無人で作動させてから家に入ります。
高校時代など、学校に初めて暖房が入った次の日は確実に熱を出していた私。。。
○○線の中でも、確実に自分の体調に異変を起こしかけているのを実感しました。
毛利先生宅の最寄り駅に着いたときは、汗だくで暑いのに寒気がするという、かなり最悪な状態で、家に帰りたかったのですが、最寄駅まで来たのに帰るのも・・・一時的なものかもしれないしとも思い、途中の薬局で葛根湯、ユンケル、風邪薬を買い、その場で服用し、先生宅に伺いました。
先生の門前に着いたときにはすでにヘロヘロ。
一刻も早く横になりたい気分でしたが、お忙しい先生が私のために時間を割いて下さっているのだから、門下の末席を汚しているのだし、這ってもスッても参上せねば!との思いでピンポンを鳴らし、レッスン室にいきました。
まだ前の人がレッスン中でしたが、部屋に入った私は椅子に沈み込むように着席。もはや仮死状態でした。
で、前の人のレッスンが終わると。。。
椅子で液体のようになっている私を見て、毛利先生は
「どうしたのサトウ君。なに怒ってるの?何を君は怒っているわけ?なんなの一体?ん~?あ、ひょっとして、具合でも悪いの?」(ちょっと詰問風)
「は~、すいません・・・なんか急に悪寒が。。。」
と、ひ弱にか細く返答するワタシ。
前の生徒さんの付き添いでいらしていたお母様「大丈夫ですか?顔色すごい悪いですよ」
毛利先生「な~んだサトウ君、具合悪かったんだ~サトウ君。何怒ってんのかと思ったよ~サトウ君。ダメだったら言ってね~サトウ君」
と氷のような冷たさで先生は部屋を出て行ってしまいました。。。
先生のお宅まで来てダメなんて言えないよ~と思いつつ、楽器を出して調弦、指慣らしをしようとしたんですが、どうにもこうにも手に力が入らないし、喉がとにかく渇くし、、、で、今にもダウンしそうだった私は、氷先生の所に行って、
「先生、すみません、お水をいっぱいだけいただけないでしょうか?」
と懇願。
さすがに氷先生もこれは思ったより重症と思ったのか、体温計を持ってきてくださり、熱を計ってみたら8℃6分!!
帰って寝なさい、と言われ、タクシー代貸してあげようか、というのを車に乗ったら酔いそうだったので拝辞し、せっかく時間割いて頂いていたのにすみません、と失礼を詫び、来た道を帰宅しました。
で、後日。
医者にも行き、元気に回復した私は、レッスンをお願いすべく電話したら、氷伯情先生、なんて言ったか!!!
この電話の内容、一部始終をそっくり掲載します。
ピポパピピポポパパパ(ボタンを押す音)
プルルルル、プル(呼び出し音)
「もしもし?」
「あ、夜分遅くに申し訳ありません、毛利先生のお宅で‥‥」
「サトウ君?サトウ君でしょう?サトウ君、ウンウン、元気になった~?」
「あ、お蔭様で回復しました(声だけで解って下さった、生徒思いの先生だ)」
「いや~、サトウ君ね~、この間すごいビックリした、ホンッとビックリした、とってもビックリした。いや、っていうのはね~、いや、実はね~、よくね~、あんまりね~、練習してきてない生徒ってこの間のサトウ君みたいな顔して椅子に座って待ってんだよね~。なんか怒ったような顔って言うかさ~。だからね~、最初これサトウ君、よっっっっぽどさらってこなかったんだな~って思ってしまってね~!!ハッハッハッハッハ!!」
「‥‥‥ムキィィィィイ━━━━━(#`Д´)凸 」
ま~道理で氷先生冷たかったわけだ。最初汚いものでも見るような眼だったけど、疑惑の目だったわけね。。。
というわけで皆さん。さらってなくても笑顔でレッスンいきましょう。さらってない人って、顔に出るようです。
。。。。。
しかしまぁ、8℃6分の熱出して苦しんでる生徒みて、練習してこなかったからだと思ってしまったって。。。
氷先生、お父上お医者様なのに・・・
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