日本では無名のチェリストだが、旧東ドイツ№1だった先生であり、東ドイツ出身の有名な中堅、若手チェリストは、殆どが何らかの形で氏の門を叩いてる。
私が初めて氏の名前を知ったのは、氏が校訂したドボルジャークのコンチェルトの楽譜からであった。
その予想もしなかったボーイングに、しばし唖然としたのを覚えている。
その楽譜を持参で、堤剛先生のマスタークラスに参加し、自分が目指す音、理想のチェリスト像などを堤先生に話した所、この楽譜の校訂者、シュバヴさんという人を知ってるか?と言われ、勧められ、彼の講習に参加したのが出会いとなる。
私はたっぷりとヴィブラートがかかった音が大好きなのだが、シュバヴ先生の音を初めて聞いた時は鮮烈だった。
チェロの常識を覆すようなヴィブラートがそこにあった。
聞いていると体が溶けてしまいそうな位ロマンティックな音(因みにピアニストKさんが初めて氏の音を聞いた時の感想は気持ち悪いだった)。
そして、その演奏法はきわめて独創的というか、それまで私が習ってきたやり方と全く違うやり方であった。
以来、講習があると参加し、さらには先生の自宅の側の家を紹介していただき、入りびたりのようになり、帰国後も連絡は途切れない。
学校での正式な生徒ではなかったが、とてもよくしていただき、色々なところに推薦していただいたりもした。
レッスンの度、先生のようなヴィブラートをかけたい、ヴィブラートを教えてくれ、と言う私に、”ヴィブラートは好みだよ、私の音は右手からきてるんだよ”と言う先生の教えが解ってきたのは、最近になってである。
色々な曲を勉強し、沢山の本番をこなし、様々な人と共演するようになり、シュバヴ先生がさらなる高みに感じてきた。
ヤン フォーグラーを始め、ミヒャエル ザンデルリンク、アンドレアス グレーガー、シュテファン フォーク等、シュバヴ先生の薫陶を受けたチェリストは枚挙に暇がない。
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