チェロのビブラートについて、ビブラートを始める時期、ビブラートの練習方法等を、私の教わってきた事、私が経験してきた事に基づき、解説してみようと思います。




チェロでビブラートを始める時期

チェロを始めて、どれくらいからビブラートに取り組めば良いのかについて質問を受ける事が多々有ります。

先生に習っている場合

現在、チェロのレッスンを受けているという方の場合は、ご自分の先生がビブラートを教えて下さった時こそが、ビブラートに取り組み始める最適な時でしょう。

独学でチェロを弾いている場合

大学のオーケストラサークルでチェロを始めた等、何らかの理由でチェロの指導を受けずに独学でチェロに取り組んでいる場合・・・

まず、ビブラートをかける際は、原則、一本の指でビブラートをかけます。

それが例え小指で有っても、小指一本です。

チェロでビブラートをかける場合、豊かなビブラートをかける為には人差し指だろうが小指だろうが、一本の指で弦を押さえてビブラートをかけます。

毛利先生のビブラート

上の動画は、毛利先生の演奏ですが、毛利先生がどの指であっても、一本の指でビブラートをかけている事、お解り頂ける筈です。

私のビブラート

お師匠様の後に自分の動画を載せるのは、本当に僭越なのですが・・・『ビブラートをかけない愚弟子はグーパンチにしてやんよ!!』と毎日サンドバッグ叩いてる毛利先生の教えを泣きながら一生懸命練習した私も、毛利先生の教えの通り!全て一本の指でビブラートをかけています。

それ故、あくまで私見ですが、弦を押さえる際に、各指が一本で無理なく押さえられる様になったら、ビブラートに取り組み始めて良いのでは・・・と思います。

※便宜上、弦を押さえると綴っていますが、感覚としては、弦を押さえるというよりは、弦にぶら下がっている感覚です。私の言葉で解説するなら、手を握る様な感覚(例えば、中指と親指でくっつける様な感覚というか・・・)は全く無いです。

当サイト内で何度も書いていますが、チェロを弾く為に必要なのは、チェロを弾くための筋肉になります。

例えば!

小さな女の子でも小指一本で官能的なビブラートをかけたり出来ています。

チェロを弾く為に必要な筋肉が付いた=一本の指で弦を無理なく押さえられる様になったら、私見ですが、次のステップとしてビブラートに取り組み始めて良いのでは、と思います。

※前述の通り、現在チェロのレッスンを受けている方は、ご自分の先生の指導に習って下さい!

チェロのビブラートのかけ方

チェロのビブラートのかけ方ですが、細かく分ければ、これはもうチェリストの数だけ有ると言えるでしょう。

但し!大きく分けると、腕からかけるビブラート、或いは指でかけるビブラート等、分ける事も出来るかと思います。

腕でかけるビブラート

私見ですが、恐らく一番オーソドックスなビブラートのかけ方になるかと思います。

指の力を抜いて、腕を振って、腕でビブラートをかけます。

因みに、私も生徒にはこのビブラートを教えます。

指でかけるビブラート

指をアクティブに動かし、指でビブラートをかけるやり方も有ります。

指のあて方、弦の押さえ方でも変わるビブラート

ビブラートは、指の押さえ方でも変わってきます。

指を立てて押さえる

指をたてままかけるビブラート。

指の腹で押さえる

指のお腹で弦を押さえ、ビブラートをかけると、幅広く豊かなビブラートになります。

指先を駒の方に向けて押さえる

指先を駒の方に向け、第一関節を柔らかく使ってビブラートをかける事も有ります。

チェロのビブラートの練習

チェロのビブラートのかけ方は様々で、もしかすると、チェロのビブラートのかけ方は、チェリストの数だけ有ると言っても過言では無いかもしれません。

また、オーケストラサークルでチェロを始めた場合、指揮者に『チェロ!ビブラートたっぷり!!』と言われて自分だけ習ってないからかけられない・・・は悲しいですよね。。。

そこで、独学の方の為に!何らかの理由でチェロが習えない方の為に!私が習ったビブラートの練習方法をご紹介したく思います。

※現在、チェロの先生に習われているという方は、私の駄文、愚見を読む必要は皆無です。

チェロのレッスンを受けている方は、ご自分の先生の指導と課題に沿って練習して下さい!

腕を振ってビブラートをかける

動画の中でやってみた様に、先ずは楽器にチョップする様な感じで手を置いて、そして腕を振ってみて下さい。

感覚としては、手団扇で顔を扇ぐ様な感じです。

チョップビブラートは・・・そんなに難しくない筈です。。。

続いて、指を指板の上に置き、そして力を抜き、弦にぶらさがっている様な感覚で、チョップビブラートの時と同じ様に腕を振ります。

もし!

チョップビブラートが出来るのに、指を置いて出来ない場合、もしかすると・・・親指に力が入り、ネックを握ってしまっているのかもしれません。

ビブラートをかける際は、弦を押さえるというより、どちらかというと、弦にぶら下がっているかの様な感覚で、指は力を抜いている感覚です。

ビブラートのコツは、手の力を抜き、弦にぶら下がり、そして腕を振る!

チェロのビブラートの練習方法の一つとして、参考になる事を祈りつつ

この練習は一日1回で十分!

注意!!

この練習は、一日1回、1分程度で十分です!

何が何でも今日中にビブラートが掛けられる様になってやる!!と1時間とかチョップビブラートを練習するのは無駄でしか有りません。

今日の1時間よりも、毎日こつこつ1分間を60日の計60分、60日合わせて1時間の方が確実に身に付きます。

これは、あくまでビブラートの基礎練習、力を抜いてビブラートをかける為の練習で、料理人で言えば桂剥きの様なモノ、アスリートのストレッチ程度に思って一日1回、それを毎日コツコツが一番良い練習になるかと思います。

ビブラートの種類と変化

ビブラートがかかる様になったら!

ビブラートは、ただかければ良いという訳では有りません。

曲想に合ったビブラートをかける必要が有ります。

その為には、ビブラートの振り幅やスピードをコントロールする必要が有ります。

お詫び

この動画は、自宅でスマホで撮影ています。

ただ、私も嫁もかなりのアナログ人間で・・・動画を送信する際に、容量の関係なのか、どうしても自動的に圧縮?されてしまい、結果として、YouTubeにアップすると画質のみならず、音質も劣化し、ビブラートの変化がそこまで解らない動画になってしまいました(泣)

ただ、2:40辺りは、この動画でもビブラートの違いが少しはお解り頂けるかとは思いますが・・・。

ビブラートはただかければ良いという訳では無いという事、そして、曲の中では、その音やメロディーに相応しいビブラートをかける様に練習するという事、そして、ビブラートがコントロール出来る様になると楽しくなってくるという事が伝われば・・・と願っています。

多彩なビブラートは、多彩な音色を生む

ビブラートの早さや振り幅をコントロール出来る様になる=多彩なビブラートを手に入れると!!

多彩なビブラートは、多彩な音色を演出、多彩な音色を生み出してくれます。

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チェロのお稽古

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